山本公認会計士・税理士事務所 港コンサルティング

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クラウド会計のメリットの検証

● 会社の状況がわかるようになる

会計入力をする担当者がそう感じるかも知れませんが、クラウド会計を導入したこと自体が原因で社長がそう感じることは、実際には滅多にないと思います。

なお、ここでの「わかる」の意味ですが、会計入力をすると入力担当者は取引の1つ1つを細かく意識するようにはなり、前よりもわかるようになった気がします。しかし、それは出納帳や売上帳などを1行1行見て「わかる」のと何ら変わりありません。実際には、出来上がったB/S・P/Lを見て、全体のバランスを感じ取りながら状況を把握できないと「わかった」とは言えません。つまり経営に活かす事はできません。

我々のように毎日決算に携わっていても、経理から会社の状況をしっかりと把握できるようになるまで何年もかかります。10人規模程度の会社でも、細かい取引の積み重ねですので、普通は頭の整理がつかなくなってしまいます。月に数日しか経理にタッチしない環境で、経理から会社の全体像を正確に把握できるようになるのは、通常は無理と考えるのが賢明です。

小規模な会社が、経理で状況を正確に把握したいという希望をかなえる唯一の方法は、信頼できる会計事務所にわかりやすく状況の説明を受けることだと思います。

もちろん、社長がクラウド会計のデータを見ることに時間をかけて、会計事務所の説明を受けながら理解を深めようとしていけば、「よくわかる」ようになるかも知れません。

しかし、会計事務所が会計入力したデータに対して同じように取り組んだ場合も、その理屈は変わりませんので、クラウド会計導入により月次決算の確定が早まらなければ意味がありません。

結局、クラウド会計導入により「月次決算を迅速に確定」し、社長が「時間をかけて」「積極的に取り組む」場合に、初めて会社の状況がよくわかってくるといえます。簡単なようで意外とハードルが高いので、目的意識を明確にして、前提条件を確実にクリアしていくことが必要です。